台風19号、あす1週間 被災地では大雨に警戒

記録的な大雨となった台風19号の影響で甚大な被害が出た東日本では、18日夜から再び激しい雨が降る見込みだ。被災地では河川の堤防が決壊し、まだ復旧していない所が多い。地盤が緩んでいる場所もあり、気象庁は少ない雨量でも危険が高まる恐れがあるとして、河川の氾濫や土砂災害、浸水に警戒するよう呼び掛けている。台風19号は12日の上陸から19日で1週間となる。

 

気象庁によると、前線や低気圧の影響で東日本と東北に暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が不安定になる見込み。18日から19日にかけて広い範囲で雨が降り、特に18日夜遅くから19日昼過ぎにかけては太平洋沿岸部を中心に大雨になる地域もあるという。

 19日にかけての予想総雨量は多いところで、東北の太平洋側と関東甲信で100~150ミリ。他の各地でも、伊豆諸島200~300ミリ▽東海100~200ミリ▽北陸50~100ミリ――となっている。

 気象庁は、河川の堤防が決壊するなどした宮城、福島、栃木、茨城の4県は当面、洪水警報・注意報の発表基準を引き下げ、より早い段階で警報や注意報を出す。沿岸部を中心に風も強まる見通しで、「被災地では復旧作業への影響に注意してほしい」としている。

 国土交通省によると、堤防が決壊した河川は7県68河川の125カ所に上る。国管理の7河川12カ所は21日までに仮堤防が設置される見通しで、18日からの大雨に間に合わない場所は土のうを積み上げるなどして対応する。毎日新聞の集計では、全国で77人が死亡し、16人が行方不明。内閣府によると、17日の時点で13都県の4249人が避難所に身を寄せている。