特定非常災害

災害規準を誰が見ても理解出来、保障内容もわかりやすくしてほしい。

発災から5日。10月17日に安倍首相は、台風19号の被害が大きかった福島・宮城両県を視察に訪れました。

 

避難所で被災者たちは・・・
安倍首相が最初に訪れたのは福島県郡山市阿武隈川などの氾濫により、広範囲で浸水被害のあった地域です。

安倍首相は、この日までに非常災害対策本部会議を6回開き、「プッシュ型支援」を各省に指示してきました。政府が進めているのは、水や食料、衣類に加え、防寒のための毛布、段ボールベッドなどを、自治体からの要請が来る前に政府から発送する支援です。

避難所となっている郡山市の小学校の体育館で、安倍首相が目にしたのは、薄い段ボールを2,3枚重ねた上に敷布団を敷いただけの寝床が点々と置かれた光景でした。

敷布団の間にはパーテーションなどの間仕切りはありません。プライベートを少しでも確保するためか、ある程度の間隔はとられているだけでした。

広い体育館の中央に数台の石油ストーブが設置されていましたが、朝晩の冷え込みは相当厳しいのではないかと思いました。

川の決壊で自宅が浸水してしまったという高齢の女性は安倍首相に、「まさかと思う(水の)量だった」と自分の経験を生々しく語りました。

安倍首相は、「きょうから自衛隊の入浴支援が始まる」「医療チームもすぐ来ると思うので、健康維持に気をつけてください」などと言葉をかけました。

堤防が決壊した被災地で・・・
この後、安倍首相は、阿武隈川支流の堤防が決壊した福島県本宮市を訪れました。崩壊した堤防を埋めるように積み上げられた土嚢を見つめながら、本宮市高松市長から復旧作業の進行状況の説明を受けました。

堤防沿いの住宅の前には、黒ずんだ水分を含んだマットレスやぬいぐるみ、椅子やタンスなどの家財道具が積み上がり、道路にはぬかるんだ泥に多くの靴の跡が残っていました。

また、安倍首相の一行の近くでは、長靴を履き、白や黄色のごみ袋を提げて家の中から出てくる住民の姿が多く見かけられました。

「総理!丸森を助けてくれ!」
宮城県で安倍首相が視察したのは、大規模な浸水により、一時、役場が孤立状態にあった丸森町です。丸森町のこの日の朝の最低気温は4.6度と、今季一番の冷え込み。視察は午後2時ごろでしたが、服の間に冷気がサッと入ってくるような寒さを感じました。

避難所となっている町民センターの周囲には、多くの避難者とみられる人々が安倍首相の到着を待っていました。母親に脇を抱えられ2階の窓から身を乗り出す小さな子どもの姿もありました。

安倍首相がバスから降り、避難所に入ろうとした時、人々の中から、ひときわ大きな声が響きました。

「総理!丸森を助けてくれ!」

安倍首相の到着でざわついていた周囲の空気が一瞬、止まったように感じました。

被災者の声に安倍首相はどう答えるのでしょうか。

その時は何も語らず避難所の中に入っていきました。

そして、およそ20分後、私たち記者団の前に姿を現した安倍首相は、被災者への思いを語りました。

悲痛な被災者の声に安倍首相は・・・
「土砂災害のすさまじい爪痕を目のあたりにした。被災者の皆様から、大変つらいお気持ち、不安な思いや困難な状況についてお話を伺った。政府として、行方不明者等の捜索、ライフラインの復旧等に全力を尽くす。被災者の皆様の生活支援を迅速に進めていく。」

そう語り始めた安倍首相は、こう宣言しました。

「今回の災害を特定非常災害に指定することとする。」

「特定非常災害」に指定されれば、運転免許の更新、飲食店の営業許可といった行政手続きの期限の延長など、特例措置を講じることができ、被災者の生活再建の一助となります。


なんの為に地方自治体、地方行政があるのか

なんの為に税金を払ってるのか熟考しなくてはならない